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vol.164:サラヤ株式会社(5)〜環境活動・社会貢献活動〜 2016.06.06

サラヤさんが取り組まれている先進的な取り組みについて教えてださい。

サラヤでは大きく2つの取り組みがあります。
まず一つはボルネオの環境保全活動です。サラヤでは「ヤシノミ洗剤」に代表される植物油を原料とした環境配慮の商品を開発していますが、約15年前、植物油を採取するためボルネオの森林が伐採されているという噂が広まりました。2010年に生物多様性の国際会議が日本で開かれるため、環境配慮への機運が高まっていたこともあり、ボルネオの環境問題がフォーカスされたのです。TVで取り上げられたこともあり、影響は深刻でした。そこで実際に現地に赴き調査したところ、ボルネオで生産される植物油(パームオイル)は85%が食用。つまり、熱帯雨林の伐採は食用油が原因であることが分かりました。残り15%が工業用として使われ、石鹸・洗剤業界の中でも大きくない弊社が使用する量はごく僅かとわかりました。しかし、環境に優しい商品を開発し、環境をリードしてきた企業として、量の多少ではなく、原料調達の段階から環境配慮をすべきと考え、ボルネオで環境活動をスタートしました。

具体的にどのような活動を始められたのでしょうか。

森林の伐採により生息地を追われた象が畑に入り、農民との間でトラブルを起こしていました。そこで、現地政府機関や野生生物の専門家と協力し、象の生息域の確保に着手しました。ただ、現地住民の収入源である農地の買収費用は膨大なため、中立の立場である環境団体(ボルネオ保全トラスト)を設立し、ヤシノミ洗剤の売上1%を寄付することにしました。当時は商品の購買と環境活動を連動させた取り組みは珍しく、世界的にも環境先進企業しか行っていなかったので、良い反響がありました。

環境に優しい商品を開発するサラヤならではですね。他の商品も連動されているのでしょうか。

もう一つがアフリカ・ウガンダでの手洗い啓発活動です。弊社は元々衛生の会社として始まったため、創業60周年の記念事業として、衛生に立ち返った社会貢献を始めました。世界に目を向けると、手を洗わないことで子供たちが死に至る病気が沢山あります。そこで、内戦が終わり、ここから発展していこうとしているウガンダ政府と協力し「100万人手洗いプロジェクト」を立ち上げました。

どのような取り組みなのでしょうか。

「手洗いの重要性を啓発する」活動です。その啓発および設備の整備などの資金をヤシノミ洗剤と同様に、衛生商品の売上と連動させることから始めました。しかし、現地で活動する中、単なる寄付ではなく、現地の人々が自分たちで手洗いの習慣を広めながら商品を売っていくシステムが必要であると分かりました。そこで働き口の確保として「サラヤイーストアフリカ」という会社を設立し、現地に工場を建て、現地の人が販売していく仕組みを整えました。これはBOP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスと呼ばれるものです。極端な話、たとえ日本のサラヤがなくなっても、アフリカの会社が続き、数十年後に経済大国となったとき、日本のサラヤという会社がウガンダに衛生概念を教えてくれたと伝わっていけば良いと思っています。

ほかにはどのような取り組みをされているのでしょうか。

直接的な取り組み以外にも様々なサポートをしています。例えば先に紹介したラカントSは、糖尿病予防と糖尿病患者の生活向上のために開発された商品です。現在、糖尿病は中国やインドなどを筆頭に世界中で患者が増えて、その予防啓発が叫ばれています。そこでラカントは国連が取り組む啓発活動支援を支援しています。また小児糖尿病患者の支援にも取り組んでいます。現在、糖尿病は治ることはなく、常にインスリン注射が必要なため、子供の間ではいじめの対象となることもあります。そこで小児糖尿病者の家族が作る日本IDDMネットワークという組織を通し、治療の研究活動を支援しています。

各商品に合わせた取り組みをされているんですね。ではarauシリーズはいかがでしょうか。

arauシリーズは、子供を持つ親が安心して安全に使える商品として開発しました。そこで、子供と関連する世の中の問題と何らかの形で関わりたいと思い検討した結果、セーブ・ザ・チルドレンジャパンという団体と出会いました。大きなプロジェクトを行った実績もあり、現場でしっかり活動される由緒正しい団体です。そこで、他の製品と同様に売上と寄付を連動させる形で支援を始めました。現在では、ウガンダで手洗い活動を始めたこともあり、支援はウガンダに集中させ、未来を担う子供たちの衛生改善のために活用しています。

こうした取り組みを行う際にどんなご苦労がありましたか。

ボルネオの活動を始めた当初、外部からの評価は高かったのですが、社内からは理解を得られないこともありました。活動は利益を社外に持ち出す行為のため、営業マンは最低でも前年以上に売上をUPさせなければ赤字になってしまいますし、財務部門からも苦い顔をされました。しかし、数々の賞を受賞する中で、社員の家族や取引先など周りの人たちから称賛される機会が増え、良い活動をしている企業という認知も高まったことで徐々に社内の理解も得ることができました。幹部や社員も他社から「すごいですね」と言われると、「知らない」とは言えませんから(笑)。

なぜ社会活動にこれほど力を入れられるのでしょうか。

もともとサラヤは社会問題の解決と事業の両立を目指して創業しました。そのためには、お客様から理解と共感を得ることができる商品を作り、購入いただき、そしてそこから得られた利益の一部を社会貢献活動に使うことで成り立っています。つまりお客様の支持がなくなれば企業として成立できなくなり、社会貢献は止まってしまいます。お客様から頂いた1%を使いますと約束している以上、細々とでも続けていくことが大事だと考えています。面白い活動をしているのだから、もっと広告すべきとの声もあります。活動を知ってもらえなければサポートの輪は広まりませんが、宣伝ばかりにお金を使っていると、活動の中身がなくなってしまいます。そのため、時間がかかっても活動に真摯に取り組むことで専門家や関係各所から評価を得て、弊社の活動を紹介してもらいことで露出を得ていくようにしています。全体のバランスを取りながら、全ての商品を世の中につなげていけるよう、今後も取り組んでいきたいと思います。

ありがとうございました。
一貫した理念に基づく商品開発や先進的な取組みの背景をお聞きし、
普段の商品選びから意識を見直さなければと感じました。

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